生きてることは面白い日記

私のガン、その他

ジロくんとエリカたち

ほんの2ヵ月までは、それなりに忙しい生活だった。
朝は6時頃おきて、まず階下へ行き、カーテンを開ける。待ち構えているエリカとその子ども2匹に朝ごはん。ときにはジロくんも一緒だ。
ジロくんは推定年齢2歳のオス猫。顔に深いキズがある。元飼い猫らしく、人懐っこい。がその後、苦労したらしく用心深いところもある。
エリカは小顔の美人。ジロくんと同じキジ猫だ。生まれながらのノラらしく、最初はハリネズミのように常に攻撃的だった。

はじめジロくんがエリカを連れてきたとき、ふたりの関係に首をひねった。
体の大きさから父と娘かなと思ったが、こんなにベタベタ父親に甘える娘っているかな?と不思議だった。
私には徹底的に反抗するのに、ジロくんにはいつも擦り寄っていくのだ。ジロくんは、そんなエリカをちょっとうるさがっているような顔して、適当にあしらっている。
夫婦かな、恋人かな、と思案しているうちにエリカが子どもを4匹連れてくるようになった。
4匹一緒にきたときは、ジロくんはまず3匹に食べさせ、最後に自分が食べるようになった。

4匹は1日に何度も、ほとんど入り浸りって感じになり、子猫たちは順調に成長していった。
そこへ、私のガン問題が突然勃発。まずは同居していた筋ジストロフィーの甥を施設に。
それから入院。その間は猫たちのために、姉に留守番に来てもらった。
やがて退院。いやがる甥を説得し、そのまま甥は施設ぐらしに。
家を売ることにして、すべての家財道具を片付けるのに、約2ヵ月。
ついに、仲良くなった猫たちに別れをつげる日がきてしまった。(つづく)

ジロくんとエリカたち

ほんの2ヵ月までは、それなりに忙しい生活だった。
朝は6時頃おきて、まず階下へ行き、カーテンを開ける。待ち構えているエリカとその子ども2匹に朝ごはん。ときにはジロくんも一緒だ。
ジロくんは推定年齢2歳のオス猫。顔に深いキズがある。元飼い猫らしく、人懐っこい。がその後、苦労したらしく用心深いところもある。
エリカは小顔の美人。ジロくんと同じキジ猫だ。生まれながらのノラらしく、最初はハリネズミのように常に攻撃的だった。

はじめジロくんがエリカを連れてきたとき、ふたりの関係に首をひねった。
体の大きさから父と娘かなと思ったが、こんなにベタベタ父親に甘える娘っているかな?と不思議だった。
私には徹底的に反抗するのに、ジロくんにはいつも擦り寄っていくのだ。ジロくんは、そんなエリカをちょっとうるさがっているような顔して、適当にあしらっている。
夫婦かな、恋人かな、と思案しているうちにエリカが子どもを4匹連れてくるようになった。
4匹一緒にきたときは、ジロくんはまず3匹に食べさせ、最後に自分が食べるようになった。

4匹は1日に何度も、ほとんど入り浸りって感じになり、子猫たちは順調に成長していった。
そこへ、私のガン問題が突然勃発。まずは同居していた筋ジストロフィーの甥を施設に。
それから入院。その間は猫たちのために、姉に留守番に来てもらった。
やがて退院。いやがる甥を説得し、そのまま甥は施設ぐらしに。
家を売ることにして、すべての家財道具を片付けるのに、約2ヵ月。
ついに、仲良くなった猫たちに別れをつげる日がきてしまった。(つづく)

この世の楽園

今日は朝から、バッハ、モーツァルト
延々休みなく、ずっと部屋のすみのテレビ画面から流れ続けている。
映像はヨーロッパらしいきれいな風景写真や、2人の肖像画

昨夜、寝るときは波の音だった。。そのまま寝て、朝、目が覚めたらバッハに変わっていた。
実は、you tubeが気をきかせて、適当に見繕って次々と選んでながしてくれるのだ。
ほんとに賢い。最初こそ音声入力で指定したが、ほんの1~2週間でこうなった。
すごい学習能力。

波のときは、タヒチモルディブかしらないが、真っ青な空、澄み切った海、白砂、遠くの島のみどりなどが明るく輝いている。そして、寄せては返す波のおと。
いつ果てるともしれない。

数日まえは目を覚ましたら、鳥のさえずりが波の音にまじっていて、うれしくなった。目をつぶって聴いていると、全身が幸福感につつまれる。
この世の楽園って、こんな感じかしら、なんて想いながら。

このごろは外出するとき以外、ほぼ24時間エンドレスで波の音を聴くともなく聴いている。
あ、そうでもないか。夜の2~3時間はテレビに切り替えて、バラエティ番組なんか見て大口あけて笑ってる。

それにしても、私は波の音依存性じゃないか、と思うことがある。


富士山はどこへ?

7時に目が覚め、新聞をとりに。ついでにドアをいっぱいに開けて西の空を見ると、はたして素晴らしく美しい富士山の姿。輪郭もくっきりと、雪をいただいた堂々たる姿が目に入った。

スマホをもってきて、写真におさめる。今日はバッチリ! ほくほくして、今撮った写真を確認した。

が、そこには家々の屋根とグレーの広い空があるのみ。え?! ガーン😨 なんで富士山だけが消えたの…?  しばし呆然。

ま、しゃーない。実物を自分の眼でみただけでも、いいや。ほんとにきれいだった。

ここ神奈川に越してきてまだ2ヵ月弱。あんなに見事に美しい大きな富士山が見られたのは初めて。ラッキーだった。

この、アパート3階の廊下の、目隠しボードと手すりのあいだの縦20センチほどの隙間からのぞきみる富士山。

あと何回、見られるかなぁ。 

2人に1人の、ひとりです。

ガン患者は、今や日本人の2人に1人だそうですね。私は、そのひとりです。ステージ4、末期の肺ガン。
幸い痛みはなく、息切れや咳などの症状も今のところ軽く、ほぼ普通の生活をしています。ただ食欲はあまりありません。流動食中心です。
固形のものは少量しか食べられないので、体力はガタ落ちです。

いずれ一人暮らしが無理になったら、近くのホスピスに移る予定です。数ヶ月まえから予約済みなので、安心です。
そこは、カーテンも壁紙もピンク系の花柄。大きな窓からは青々とした田んぼがみえ、とても気持ちよさそう。(田んぼはもう茶色くなっているでしょうが)
具合が悪くなったら、いつでもいらっしゃい、と言われています。

私は76歳ですが、遅くも早くもなく、今ちょうどよいときだと思い、ガンになったのはとてもタイミングが良かったと、天に感謝しています。

誰でも必ずいつか死にます。その意味では、死は当たり前のことです。
そんな死を多分、間近にした日常を、書いてみたいと思います。